ビタミンは皮脂の分泌を抑えたり、ターンオーバーを促進したりするので、ニキビに良いと言われています。
特にビタミンB群はニキビに良いと言われているので、ニキビに効くと思っている人は多いかもしれません。
しかし、実はビタミンにニキビを治す効果があるかどうかはわかっていません。
実際に日本皮膚科学会でも、ビタミンの内服は推奨されていないのです。
そんな中でも人によってはビタミンをとることでニキビが治ったということもあります。
これは、肌のターンオーバーを促進するなどのビタミンの働きの影響で、結果としてニキビが治ったからだと言えるかもしれません。
そこで、今回はビタミンで本当にニキビを治せるのかお話ししていきます。
読み終えて頂ければ、ニキビとビタミンの関係性について、深く納得できるでしょう。
目次
ビタミンをとればニキビが治るわけではない
実は、ビタミンを摂取すればニキビが治るわけではありません。
なぜなら、ニキビにダイレクトにビタミンがアプローチされるわけではないからです。
しかし、ビタミンを摂取することで肌の調子が良くなり、その結果としてニキビの治りが早くなったり出来にくくなったりします。
ですので、ビタミンだけでニキビを治せると思わない方が良いでしょう。
それを裏付ける根拠として、ニキビのガイドライン(日本皮膚科学会「尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017」)では、ビタミン剤の内服を推奨していません。
その理由は、ニキビとビタミンの関係について行った実験結果やデータが足りないからです。
ニキビができる3つの原因
ビタミンを取るだけではニキビは治りません。
しかし、ビタミンはニキビを補助的に予防するので必ず取る必要があります。
ただ、そのためにはあなたの肌に合ったビタミンを取る必要があります。
ということは、ニキビが出来る原因がわかっていないと、どのビタミンを取れば良いのかわからないのです。
ここでニキビの原因をお伝えするので、あなたのニキビの原因がどれか確認しましょう。
毛穴の詰まり
ニキビは毛穴が詰まることで発生します。
皮脂が過剰に分泌されたり、ターンオーバーが乱れて古くなった角質が溜まり続けたりすることで毛穴が詰まってしまうのです。
毛穴が詰まってしまうと、分泌された皮脂が毛穴の中に溜まってしまいます。
そのまま放置すると、炎症を起こして赤くなったり痒くなったりするのです。
皮脂の過剰分泌
皮脂の過剰分泌もニキビの原因の1つです。
皮脂が過剰に分泌されると、皮脂が毛穴を塞いでしまい皮脂の出口がなくなってしまいます。
出口がなくなった皮脂は毛穴の中に詰まってしまい、ニキビとなるのです。
皮脂の過剰分泌はホルモンバランスの乱れなどが原因で皮脂が過剰に分泌されます。
アクネ菌の増殖
アクネ菌が増殖すると、ニキビが悪化してしまいます。
アクネ菌は皮脂を栄養とするので、皮脂や角質が詰まった毛穴の中で繁殖することで炎症を起こすなどニキビが悪化する原因となるのです。

ビタミンの肌への働き
ニキビの原因がわかったところで、ビタミンの働きについてご説明します。
ニキビに良いとされるビタミンは主に4つです。
ここでは、その4つのビタミンについてご紹介します。
あなたの肌の状態と確認しながら、必要なビタミンについて読み進めましょう。
ビタミンA | 乾燥肌 |
ビタミンB群 | 脂性肌 |
ビタミンC | ニキビ跡が気になる人 |
ビタミンE | 大人ニキビ |
必ずしもニキビに効果があるというわけではありませんので、ご参考程度に留めてください。
乾燥肌のニキビにはビタミンA
乾燥が原因のニキビにはビタミンAを摂取しましょう。
ビタミンAはターンオーバーを整える働きがあります。
それだけではなく、炎症や化膿を防ぐ働きもあるのです。
ビタミンAを摂取すると、皮膚のバリア機能や角層の水分量を維持する役割があります。
バリア機能や角層の潤いが保たれることで代謝が良くなり、ターンオーバーが促進されるのです。
その根拠として、血清中のビタミンAの濃度が高いと、肌が酸性よりになり調子が良くなるという報告もあります。*
ただし、ビタミンAを過剰に摂取すると健康障害が出たり、妊娠中は胎児に影響があったりという報告があるので、ビタミンAを摂取する際は気をつけましょう。
参考 若年女性の肌状態と栄養素等摂取、代謝、自律神経活動の関連脂性肌のニキビにはビタミンB群
脂性肌の人はビタミンB群を摂取しましょう。
ビタミンB群は皮脂の分泌を整える働きがあります。
皮脂の分泌が整えられることで、毛穴の詰まりを防止できるのでニキビを予防することができるのです。
特に、ニキビに悩んでる人にはビタミンB2、パントテン酸、ビタミンB6を摂取することをおすすめします。
ビタミンB2
ビタミンB2は皮膚ビタミンと言われていて、ニキビに悩んでる人には摂取していただきたい栄養素です。
皮脂の分泌を調整するだけでなく、肌や髪なども作ります。
ビタミンB2は脂質の代謝を促すので、不足してしまうと皮脂の分泌のコントロールができなくなり、肌を弱酸性に保つ力が低下します。
その結果、細菌に対する抵抗力も低下してニキビなどの肌荒れが引き起こされるのです。
パントテン酸
パントテン酸はストレスを緩和させる働きがあります。
ストレスや疲労を感じた時に消費されるのがパントテン酸だからです。
ストレスはニキビの原因の1つです。
ですので、パントテン酸を摂取することで、ストレスが原因のニキビを予防することができます。
また、パントテン酸はビタミンB2と同じく脂質の代謝を促します。
代謝が促進されることで、皮脂の分泌がコントロールされるので、ニキビを防ぐことができるのです。
ビタミンB6
ビタミンB6はタンパク質の代謝に関係しています。
タンパク質は肌や髪の元となり、人間の20%を占めている栄養素です。
タンパク質を摂取すると美肌になると言われています。
タンパク質は代謝されないと肌や髪に使われず、脂肪になったり流れ出たりしてしまいます。
そこで、ビタミンB6があればタンパク質が代謝され、肌や髪に使われるのです。
つまり、ビタミンB6がないと肌のターンオーバーが乱れてしまうのです。
ニキビ跡が気になる人にはビタミンC
ビタミンCは万能ですが、ニキビ跡が気になる人は特に摂取しましょう。
ビタミンCは、抗酸化作用やターンオーバーの促進など美肌に欠かせない働きが多くあります。
肌に関係する働きは主に以下の4つです。
- メラニン色素の生成を抑える
- コラーゲンの生成を促進する
- 肌の代謝を整え、ターンオーバーを促進する
- 抗酸化作用がある
メラニン色素の生成を抑えることで、色素沈着が原因のニキビ跡を予防することができます。
また、コラーゲンはタンパク質の1つです。
ビタミンCはコラーゲンの生成を促すことで美肌に導いてくれます。
ですので、ビタミンB6とビタミンCは一緒に摂取すると良いでしょう。
そして、肌の代謝を整えて肌のターンオーバーを促進するので毛穴が詰まりにくくなりニキビを防ぐことができます。
抗酸化作用があるので、ニキビの原因である活性酸素の酸化を抑えてくれます。
そして、ビタミンCは体の中からの摂取とスキンケアで使用するの併用が良いと言われています。

大人ニキビにはビタミンE
大人ニキビにはビタミンEを摂取しましょう。
ビタミンEには、ビタミンCと同じく酸化を防ぐ働きがあります。
体内では、エネルギーを作り出す時に活性酸素が発生します。
活性酸素は過剰に発生すると健康な細胞を傷つけ、ニキビが炎症する原因の一つです。
この活性酸素を除去するには、抗酸化力の高い栄養素が必要になります。
ですので、ビタミンEがニキビに良いのです。
ただし、ビタミンEは活性酸素を除去するとその働きを失います。
しかし、ビタミンCや還元型コエンザイムQ10にはビタミンEの抗酸化力を元に戻すことができるので、一緒に摂取すると良いでしょう。

まとめ
ビタミンだけでニキビは治りません。
しかし、ビタミンは肌に良い働きをしてくれます。
ビタミンを摂取することで肌の状態が保たれ、その結果ニキビが早く治ったりニキビができにくくなったりします。
今回ご紹介した内容を参考にビタミンを選んでいただければ、ニキビ知らずの肌になれるでしょう。