乾燥は肌のくすみの原因になります。
その理由は、乾燥すると肌が生まれ変わるサイクル(ターンオーバー)が乱れて古くなった角質が蓄積するからです。
その結果、顔がワントーン暗くなり「くすみ」として現れます。
言い換えれば、肌にうるおいが満ちていれば艶のあるくすみ知らずな肌になれるということですね。
そこでこの記事では、乾燥によるくすみの原因とその対策方法をまとめました。
正しい知識と対策方法で、透明感のあるお肌を手に入れましょう!
乾燥で肌がくすむ理由は光の反射
乾燥で肌がくすんで見えるのは「光の反射」が理由です。
光は肌に入射し、メラニン・タンパク質などの成分に吸収・反射して肌の外に戻ってきます。
乾燥でくすんでいる肌は、ターンオーバーが乱れて古い角質が蓄積しているので、光が入射せず古い角質で凸凹した肌に反射されるのです。
反射する光よりも肌に入射して戻ってくる光(透過光)の量が多いと、透明感のある肌に見えます。
だから、肌の表面で光が反射するので、乾燥で肌がくすむのです。
参考 透明感のある美 しい肌つて?J-STAGE乾燥による肌のくすみの原因
つづいて、乾燥による肌のくすみの原因を調査した結果、乾燥は5つの原因から引き起こされることがわかりました。
今から説明する5つの原因が肌のバリア機能を低下させることで、乾燥を引き起こし「くすみ」となります。

紫外線
紫外線は肌の乾燥を加速させます。
特に乾燥肌や敏感肌の人は、肌のバリア機能が低下しているので、より乾燥を感じやすいです。
バリア機能とは、外的刺激から肌を守ったり水分の蒸発を防ぐ働きのことで、私たちの肌に備わっています。
しかし、必要なうるおいが足りている時にしかバリア機能は働きません。
その状態で紫外線を浴びてしまうと、さらに乾燥が悪化してくすみとなるわけです。

ターンオーバーの乱れ
ターンオーバーの乱れも肌の乾燥を引き起こします。
ターンオーバーとは、肌の細胞が生まれ変わるサイクルのことです。
健康的な肌は約28日のサイクルで生まれ変わりますが、加齢や生活習慣によって肌のターンオーバーのサイクルは乱れます。
その結果、バリア機能が低下して肌の乾燥に繋がるわけです。
摩擦
肌の表面には厚さが0.02mm程度の角質層があります。
顔の角質層は他の体の部位と比較して薄く、摩擦のダメージを受けやすいのです。
クレンジングのし過ぎなどで肌を擦ると、摩擦が生じて角質層が剥がれてしまいます。
角質層はバリア機能に重要な役割があるので、肌が乾燥しやすくなるわけです。
空気の乾燥
空気が乾燥していると、肌の角質層から水分が失われてしまいます。
角質層のうるおいが不足すると、バリア機能が低下するので、より肌が乾燥しやすく感じます。
空気が乾燥するのは冬だけではなく、冷房を使用する夏も肌の乾燥の影響を受けやすいです。
肌の乾燥を防ぐには、湿度60~65%程度が理想です。
水分不足
水分不足は肌の乾燥に関係しています。
水分は胃腸で吸収されると、血液になって全身へ運ばれます。
しかし、水分が足りなくなると、血液がドロドロになるので、血流が悪化。
血液は栄養素・酸素などを全身へ届けて、老廃物・二酸化炭素などを回収する働きをするので、ドロドロな血液は上手く働きません。
その結果、肌細胞に必要な栄養素・酸素などが届かないので、肌のターンオーバーも悪くなって乾燥くすみの原因となるのです。
乾燥が原因のくすみのカバー方法
乾燥が原因でくすんでいる肌は、化粧下地とファンデーションによって透明感のある肌に見せることができます。
すぐにくすみのない肌になりたい人やメイクノリを良くしたい人は参考にしてみてください。
化粧下地・ファンデーションの選び方
乾燥によるくすみをカバーするために適している化粧下地とファンデーションの選び方を調査しました。
根拠とともに説明していきます。
化粧下地は光をコントロールするタイプを選ぶ
乾燥によるくすみをカバーするには「光をコントロールするタイプ」を選ぶと、くすみが飛んで透明感のある肌に見せることができます。
乾燥で肌がくすむ理由は光の反射で説明した通り、乾燥のくすみは光の乱反射が影響します。
光をコントロールするタイプの化粧下地は、肌に当たった光を反射しやすくなるので、透明感のある肌づくりに貢献してくれるわけです。
ツヤ感を出すためにラメ・パールを配合している化粧下地があります。 ラメ・パールの配合量が多かったり粒が大きかったりすると、肌ムラができてくすみが悪目立ちすることも。特にプチプラな商品はそういった傾向があるようです。
ファンデーションはツヤ肌タイプを選ぶ
乾燥によるくすみに悩んでいる人には、ファンデーションは肌をマットに見せるタイプよりもツヤを出すタイプが適しています。
なぜなら、ツヤもくすみと同じように「光の反射」が関わっているからです。
肌の内部に入射する光よりも肌の表面で乱反射するほど、ツヤがないマット肌に見えてしまいます。
このことから、肌のくすみトラブルを抱えている人は肌にツヤを出してくれるファンデーションがおすすめです。
ツヤ肌を演出するには、リキッド・クリーム・クッションタイプのファンデーションが適しています。
パウダータイプよりも油分が多く肌なじみが良いので、乾燥によるくすみをカバーしやすいからです。
化粧下地・ファンデーションの塗り方のコツ
くすみをカバーできる化粧下地やファンデーションを使用しても、適当に塗ってしまうとメイク崩れしやすかったりくすみをカバーしきれなかったりします。
くすみをカバーしつつ崩れにくい方法を調査しました。
乾燥によるくすみをカバーする化粧下地の塗り方のコツ
化粧下地の塗り方を調査したところ、メイクを綺麗に仕上げるためには3つのポイントが大切であることがわかりました。
- 化粧下地前のスキンケア
- 適量を薄く塗ること
- 肌に馴染ませること
この3つのポイントを意識することで、乾燥と肌に残った油分でメイクが崩れるのを防ぎます。
乾燥によるくすみをカバーするファンデーションの塗り方のコツ
ツヤ感を出しやすいリキッドファンデーションの塗り方のコツを調査しました。
2つのポイントを説明します。
- 顔の広い面積から塗っていくこと
- ツヤ感を出すにはスポンジが良いこと
ファンデーションはムラになると、くすみが目立ちメイクが崩れやすくなります。
頬や額などの広い面積から塗っていくと、ファンデーションが厚くならず素肌に近い仕上がりに。
さらに、スポンジを使用すれば気になる部分をカバーしながらムラになるのを防ぎます。
ブラシの方がスポンジよりも薄づきで素肌感を出したい人は、ブラシを使用するのもおすすめです。
乾燥が原因のくすみの対策方法
くすみをカバーするメイクをするだけでは、根本的な解決にはなりません。
くすみがない透明感のある肌を目指すには、スキンケアはもちろん、インナーケアを徹底することから始まります。
スキンケアは保湿重視
スキンケアの基本は保湿と言われています。
くすみの原因が乾燥の人は、より保湿を重視したスキンケアをしたいですよね。
そこで乾燥によるくすみにアプローチできるスキンケア方法を調査しました。
クレンジングはミルク・クリームタイプを選ぶ
肌が乾燥しやすい人は、洗浄力が高くないミルクタイプやクリームタイプのクレンジングがおすすめです。
テクスチャーが滑らかで洗い上がりもしっとりします。
しかし、メイクを落とすまでに時間がかかったり擦らないと落ちなかったりすると、逆に肌へのダメージになり得ることもあるようです。
その場合は洗浄力が高いオイルタイプのクレンジングを使用した方が、結果的に肌へのダメージが少ないということもあるので、自分の肌と相談しながら選びましょう。
化粧水・乳液は成分で選ぶ
乾燥によるくすみには、保湿効果の高い成分を配合している化粧水・乳液を選ぶのが大切です。
しかし、保湿効果が高い成分は種類が多く、何を選べば良いのかわかりませんよね。
調査した結果、保湿成分は4つの特性に分類されることがわかりました。
特徴 | 種類 | 成分 |
---|---|---|
水分を抱え込む | 水溶性成分 | ヒアルロン酸 コラーゲン ラスチン ヘパリン類似物質 |
水分をつかむ | アミノ酸 PG グリセリン |
|
水分を挟み込む | 油溶性成分 | セラミド スフィンゴ脂質 ステアリン酸コレステロール |
水分を逃さない | スクワラン ワセリン |
1つの成分に固執するのではなく、肌は様々な働きでうるおいを保っているので、種類の保湿成分を使用するのが肌の乾燥に良いようです。

定期的に角質ケアをする
肌が乾燥している人でも定期的に角質ケアをしましょう。
トラブルを抱えている肌は、ターンオーバーが乱れていることが多いので、古くなった角質が蓄積します。
化粧水や乳液などは基本的に肌表面にある角質層までの浸透しかしないので、古くなった角質が蓄積していると、保湿をしても十分な効果を得られない可能性があります。
角質ケアの方法によって肌へのダメージになり得るので、注意が必要です。 特に乾燥している肌はダメージを受けやすいと言われているので、極力摩擦をせずに角質ケアができるスキンケア方法を選びましょう。
角質ケア種類 | 特徴 |
---|---|
ピーリング | 酸性成分で角質を取り除く方法。 酸で角質を取り除くので乾燥しやすい。 |
スクラブ | 粒子の研磨作用で角質を取り除く方法。 シュガーやソルトなど様々な種類がある。 |
ゴマージュ | 植物由来の成分で角質を取り除く方法 ピーリング・スクラブよりも肌への刺激は少ない |
拭き取り化粧水 | 洗顔後、化粧水前に使用して角質を取り除く アルコールが配合されている商品があり、乾燥しやすい人には向かない |
角質ケア専用美容液 | ターンオーバーの乱れを整えるよう角質層へアプローチする 角質を直接取り除くわけではない。 |
成分 | 特徴 |
---|---|
AHA(フルーツ酸) | ピーリング化粧品に配合される成分。 サトウキビやヨーグルトなどから抽出される。 ピーリング成分の中でも肌への負担は少ないと言われている。 |
BHA(サリチル酸) | ピーリング化粧品に配合される成分。 AHA(フルーツ酸)よりも刺激が強いと言われている。 ニキビの治療に使用されることもあり、市販のニキビケア商品にも配合されることもある。 |
酵素 | タンパク質(角質)を分解する。 プロテアーゼ・パパイン酵素などが知られている。 |
クレイ(泥) | 泥の吸着成分を利用して角質などの汚れを除去する。 種類によって吸着力・特性が異なる。 カオリン・モンモリロナイト・ガスールなどがある。 |
日焼け止めを使用する
乾燥によるくすみを悪化させずに対策するには、紫外線対策・日焼け止めの使用は欠かせません。
日焼け止めにはSPF/PAの表記があります。
防止する波長 | 表記方法 | |
---|---|---|
SPF | UV-B | 数値(最大50) |
PA | UV-A | +〜++++ |
数値・+が多いほど、紫外線を防ぐ効果も高まりますが、肌の負担もかかります。
ただし、SPF/PAの高い日焼け止めを選んでも、紫外線防止効果が持続するのは2時間程度です。
日常生活ではSPF10~20・PA++程度の日焼け止めをこまめに塗り直すのが、肌の負担を減らしつつ紫外線対策ができます。
インナーケアで乾燥に強い肌を目指す
乾燥によるくすみを根本から改善するにはスキンケアだけでは難しいです。
そこで、透明感のある肌を目指す上で重要なインナーケアについて調査したところ、ターンオーバーを整えて肌の水分量を保つインナーケアが必要になることがわかりました。
食事・サプリメントで必要な栄養素を摂取する
健康的な食生活は美肌を作る上で大切だということは知られています。
乾燥によるくすみを改善するためにも食生活を意識するべきだということがわかりました。
栄養素 | 働き | おすすめの取り入れ方 | 摂取量/日 | 食べ物(100g当たりの含有量) |
---|---|---|---|---|
タンパク質 | 肌のターンオーバーに関わる コラーゲン・天然保湿因子の生成をサポート |
ビタミンB6と一緒に | 50g | 鶏ささみ(23g) 牛肉赤身(20g) |
オメガ3 | 体内で生成することができない不飽和脂肪酸の1種 細胞膜・セラミドの元となる |
熱に弱いから生のままかサプリメントで | 1.6~2.0g | アマニ油(24g) くるみ(8.9g) |
ビタミンA | 肌のターンオーバーを促しバリア機能を高める | 油と一緒に調理 | 650〜700㎍RAE | にんじん(7200㎍RAE) ほうれん草(5400㎍RAE) |
ビタミンB2 | 皮脂の分泌を調整し、粘膜・皮膚を健やかに保つ。 脂質を代謝 |
タンパク質と一緒に。 水溶性で体内に蓄積されないからこまめに取った方が良い |
1.2g | マッシュルーム(0.28mg) 乾しいたけ(0.23mg) |
ビタミンB6 | 皮脂の分泌を調整し、粘膜・皮膚を健やかに保つ。 アミノ酸(タンパク質)の代謝をサポート |
タンパク質と一緒に。 水溶性で体内に蓄積されないからこまめに取った方が良い |
1.2g | にんにく(1.53mg) バナナ(0.38mg) |
ビタミンC | コラーゲンの生成を促進。 | タンパク質と一緒に。 水溶性で体内に蓄積されないからこまめに取った方が良い 熱に弱いから食事は生で |
100mg | キウイフルーツ黄肉種(140mg) いちご(69mg) |
ビタミンE | ターンオーバーの促進に関わる | ビタミンC・ビタミンAと一緒に | 6.5g | アーモンド(31.0mg) うなぎ(4.9mg) |
睡眠の質を高めて成長ホルモンの分泌を促す
眠っている間に分泌される成長ホルモンは、肌の細胞分裂を促しターンオーバーを整えます。
睡眠には脳も体もリラックスしている状態のノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠があり、成長ホルモンはノンレム睡眠の間に最も多く分泌されるのです。
睡眠の質が浅く、ノンレム睡眠が起こりにくくなると、それだけ成長ホルモンの分泌も妨害されます。
睡眠の質を高めるには、メラトニンという睡眠を促すホルモンを分泌させることが重要です。
メラトニンを分泌させるには
- 日光を浴びる(日光を浴びてから14時間後にメラトニンが分泌され始める )
- 寝る前にTV・スマートフォンなどの明るい画面を見ない
- バナナや大豆製品などの食品から摂取する
などの方法が効果的です。
水分補給で体の中から潤いを
肌は体の水分量の約15%を占めています。
汗や排泄で体の水分が不足すると、肌が乾燥してくるので、こまめに水分補給をするべきです。
理想的な水分量は約2Lと考えられています。
一度に大量の水を飲んでも、全ての水分が体内に吸収されるわけではありませんので、喉が乾く前に少しずつ飲みましょう。
乾燥によるくすみを悪化させないために避けたいこと
乾燥によるくすみの調査していく中で、避けるべきこともわかりました。
過度なマッサージや洗顔
過度なマッサージや洗顔は、摩擦によって肌のダメージとなり得ます。
これは摩擦によって角質層が剥がれることが原因です。
カフェイン・アルコール摂取
カフェインを含む飲み物やアルコールには利尿作用があると言われています。
水を頻繁に飲んでいる場合でも、カフェイン・アルコールの利尿作用によって、思っている以上に水分不足になっているかもしれません。
しかし、カフェインが含まれている飲み物でも水分補給に効果があるという説もあるようです。
エアコンの使いすぎ
空気中の水蒸気量は温度によって変わります。
冷たい空気は暖かい空気よりも水蒸気量が少なくなるので、乾燥しやすいです。
一方で、寒い時期に部屋を温めても乾燥を感じることがありますよね。
これは、水蒸気量の少ない冷たい空気だけを温めており、水蒸気量を増やしているわけではないのからです。
こまめに水分補給をしたり、加湿器を使用して乾燥しないようにすることが大切ですね。
まとめ
乾燥とくすみには密接な関係があるとわかりました。
- 紫外線
- ターンオーバーの乱れ
- 摩擦
- 空気の乾燥
- 水分不足
により、肌が乾燥することでくすみが発生します。
これをカバーするには、
- 光を反射するタイプの化粧下地
- ツヤタイプのファンデーション
で透明感のある若々しい印象の肌を作れることがわかりました。
くすみを元から改善したい場合は、スキンケア・インナーケアでコツコツとお手入れすることが重要です。
ご紹介した方法で、くすみのない透明感のあるお肌を手に入れましょう!